スラックスって、シングルとダブルってどっちが良いの?
最近はクールビズでスラックスだけを買うことが多い。
裾上げの時にいつもどっちにするか迷う。
結局シングルにしちゃうんだけど、それでいいのかな?
こんな疑問に答えます。
クールビズのスラックスに最適なのはシングルなのかダブルなのか?
本記事を執筆しているのは現役ショップスタッフの鶴田です。
ドレスウェアもカジュアルウェアも扱うショップに勤務していますが、基本的にはオールラウンダーですが、得意なのはどっちかというとドレスです。
一応、社内の接客大会のスーツ部門で優秀賞を取ったこともあるんですよ(`・∀・´)エッヘン!!
今回はそんなドレスウェアを熟知したプロが「クールビズのスラックスの裾はシングルが良いのかダブルがいいのか問題」を解説します。
裾上げの時にいつも悩む・なんとなくでシングルにしちゃう、なんていう方は必見です。
クールビズのスラックスってシングルとダブルどっちが良いの?

クールビズのスラックスはダブルにしましょう。
理由は以下の二つです。
- 適度にカジュアルな雰囲気が出る
- 夏素材と相性が良い
以下で詳しく解説します。
ダブルがおすすめの理由①適度にカジュアルな雰囲気が出る
シングルとダブルを比較すると、フォーマルなのはシングルです。
なぜかというと、ドレスウェアはデザインが
- シンプルであれば、あるほどフォーマル
- 複雑であれば、あるほどカジュアル
な印象を感じさせます。
シングルの方が裾を折り返していない分、シンプルに見えてフォーマル。
ダブルの方が裾を折り返している分、デザインが少し複雑になるのでカジュアルな印象を感じさせます。
だから、最もフォーマルなスーツの着こなしである「モーニングコート(結婚式で新郎新婦のお父さんが着ているスーツ)」は、裾がシングルになっています。

そんな前提を踏まえて、クールビズです。
クールビズはノーネクタイにセンタープレスパンツ(スラックス)に革靴を合わせたコーディネートが基本。
私はネクタイをする方が好きですけどね。

つまりスーツスタイルやジャケットスタイルよりも、カジュアルな雰囲気が求められるのがクールビズです。
となれば、カジュアルな雰囲気を持つダブル仕上げの方がクールビズには相性が良いのです。

そんな裾くらいで変らないでしょ?
なんて思うかもしれませんが…。
他人があなたを見る時、目線は様々なところを泳ぎますが、最終的に目線が止まるのは末端。
時計を見ているそぶりもなかったのに、急に「いい時計してますね」なんて言われたことありませんか?
最終的に目線が止まるからこそ、末端は目立つのです。
パンツの裾だって、末端です。意外と目立ちます。
試しにスラックスの裾をロールアップしてダブル風にしてみてください。
ちょっとカジュアルな雰囲気に変わるでしょ?
こんな些細なことでもファッションって変わるのです。着用アイテムが減る夏なら、尚の事、変化を感じさせることでしょう。
クールビズというややカジュアルなTPOとダブルのカジュアルなデザインがマッチする。
これがクールビズのスラックスはダブルがおすすめな理由その①です。
ダブルがおすすめの理由②夏素材と相性が良い
クールビズ向けの素材は薄手であることがほとんど。
薄手なので涼しいのは非常に嬉しいんですが、メリットばっかりじゃないんですよ。
薄手の素材は厚手の素材と比べると、どうしてもシワになりやすい。
階段を上ったり下りたり、足を組んだりetc下半身は複雑な動きをするので余計にシワになりやすい。
本来ドレスウェアは、アイロン掛けを徹底して少しでもシワを取り除くもの。
逆にカジュアルウェアは、あえてシワ加工する服もあるほど、シワをありがたがるもの。

シワはカジュアルの象徴なのです。
クールビズに適度なカジュアルさを求められるとはいえ、シワが入ったスラックスではカジュアルを通り越して、”ラフ””ルーズ”に見えてしまいます。
そこでダブルです。
ダブルは生地を幾重にも折り重ねて仕立てるので、生地の重さが裾に集中して、シワのついたスラックスを下にピンと引っ張ってくれる効果があります。

通な人はダブルの折り返しに10円玉を入れて、さらに重さを足して効力を高めている人もいますね。
私はしないけど(笑)
でも、それくらい細工をしてまで裾に重さを出すと、パンツのシワを伸ばせてキレイなシルエットになる、ということです。
これがクールビズのスラックスでダブルをおすすめする理由②です。
ちなみにダブル仕上げにする場合は「ダブルの幅」を指定する必要があります。
そのあたりはこちらの記事の後半で解説しているので、興味ある方はぜひご覧ください。

ダブル以外にもおすすめなのは「たたき」

クールビズのスラックスをカジュアルにも兼用したい、なんて方は「タタキ」にするのも良いでしょう。
タタキは、ジーンズのようにこんな風なステッチを入れる仕立て。

タタキにするとジーンズのようにスラックスをロールアップすることが出来ます。

仕事のパンツをカジュアルに使うわけですから、コーディネートによっては「仕事っぽく」なってしまうこともあるわけですが…。
それを防ぐ一つの手段がロールアップです。
本来ドレスファッションは
- シャツは第一ボタンまで閉める
- 袖は長袖が基本
という風に肌の露出を可能な限り、減らします。

逆に素肌を出すと、「抜け感」と呼ばれる少し崩れた雰囲気を演出できるので、仕事用のスラックスでもカジュアルに見せることが出来ます。
で、その素肌を見せる手段の一つが「ロールアップ」という話です。
とはいえ、ウール素材だと薄い&柔らかすぎて、ロールアップしてもすぐにヘナっと、元に戻ってしまいます。
- ポリエステル素材
- コットン素材のスラックス
など、少しハリのある生地をたたきにするとロールアップしやすいですね。
つまり一つのパンツをオンオフ兼用しやすくなります。
「別にオンオフ兼用なんてしなくてもいいよ」
という方もいると思います。
もちろん、それはおっしゃる通りなわけで…。
でも、オンオフ兼用が出来るようになると、用途ごとに服を揃える必要がないので、洋服代を節約することが出来ます。
加えて仕事の服ってフォーマルなシーンで使えるがゆえに、カジュアルウェアと比べると非常に洗練された雰囲気を持っています。
カジュアルに着回すことで、いつものカジュアルスタイルを1ランク上の洗練された雰囲気に引き上げてくれます。
このコーディネートだって、普通はジーンズを合わせるところをパンツを仕事用のスラックスに変えただけ。
ですが、非常に洗練されたオシャレな雰囲気でしょ?

もし、「お金をかけたくない・かけられないけどオシャレをしたい」という気持ちがあれば、仕事の服をオンオフ兼用できるように選ぶことをおすすめします。

クールビズのスラックスはダブル以外なら、タタキをおすすめします。
カジュアルに着回しやすく、仕事でもカジュアルでも着られる高コスパアイテムとなるでしょう。
今回はここまで。
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