スーツの上着とジャケットって何が違うの?
スーツの上着をジャケパンスタイルに使っていいの?
ジャケパンスタイルって、どんなジャケットに何を合わせればいいのかな?
今回はこんな疑問に答えます。
- スーツの上着とジャケットの違いを解説
- ジャケパンに使いまわせるスーツの選び方
- スーツの上着を使ったジャケパンの着こなし方
本記事を執筆しているのは、現役ショップスタッフの鶴田です。
スーツに定評のあるブランドに勤務して12年目を迎えます。
スーツのプロが解説する「スーツの上着とジャケットの違い」を解説します。
「出来ればスーツの上着をジャケパンに使いまわしたい」そんな方にオススメです。
スーツの上着とジャケットの違い【上着だけを使うのもアリ】

スーツの上着とジャケットの違いをまとめました。
違いは、この5つです。
- 肩のライン
- 着丈
- 生地
- デザイン
- ボタン
以下で詳しく解説します。
違い①肩のライン
スーツの上着は基本的に肩パッドが入った直線的なラインになっています。

それに対してジャケットは、肩パッドのない丸いラインになっていることが多いです。

ただこれは、あくまで「そうなっていることが多い」というだけで、
- 肩パッドの入っていないスーツ
- 肩パッドの入ったジャケット
もあります。
この辺は下記の記事でも解説しているので、興味ある方はこちらも読んでみてください。
スーツのシルエットの理解が深まりますよ。

肩のラインの違いは、フォーマル度・カジュアル度を左右します。
肩パッドが入った直線的なシルエットはフォーマルな印象を。
肩パッドの入っていないシルエットはカジュアルな印象を感じさせます。
違い②着丈
基本的に着丈は
- スーツの上着の方が長く
- ジャケットの方が短く
なっています。
同じブランドの「スーツの上着」と「ジャケット」を比べると、2~3センチ程度の差があります。
ただ、これはあくまで同じブランドのアイテムを比べた場合でして…。
Aのブランドの「スーツの上着」よりも、Bのブランドの「ジャケット」の方が着丈が長い、なんて場合もあります。
着丈は
- 長いとフォーマルな印象
- 短いとカジュアルな印象
を感じさせます。
「長い」「短い」の目安で言うと、
- お尻の3分の2以上が隠れる=長め
- お尻の半分が隠れる=短め
というのが一般的ですね。
違い③生地
生地は
- スーツ=ストライプを多用
- ジャケット=無地・チェックを多用
される傾向があります。
これも、あくまで「傾向」ですね。
無地やチェックのスーツもありますし、ストライプ柄のジャケットもあります。
他にも、素材は
- スーツ=通年使える薄手の素材
- ジャケット=夏は麻・冬は起毛したウールなど季節感のある素材
が使われることが多くなっています。
こちらがスーツの素材。

こちらがジャケットの素材ですね。
素材は
- 光沢があるとフォーマル
- 光沢がないとカジュアル
な印象を感じさせます。
つまり
- 通年使える薄手のウール素材は艶があるのでフォーマルな印象
- 夏の麻素材や冬の起毛したウールは艶が弱いのでカジュアルな印象
になります
違い④デザイン
主にポケットにデザインの違いが現れます。
スーツの上着はフラップと呼ばれる蓋つきのポケットが主流です。

それに対して、ジャケットは外から縫い付けたアウトポケットが使われる場合もあります。

これもあくまで「傾向」で、
- アウトポケットのスーツ
- フラップポケットのジャケット
もありますね。
感覚的に理解できるかもですが、
- フラップポケットの方がフォーマルな印象
- アウトポケットの方がカジュアルな印象
を感じさせます。
違い⑤ボタン
スーツの上着には、主張の弱い(=生地とのコントラストが弱い)黒か茶のボタンが使われています。

ジャケットには、主張の強い(=生地とのコントラストが強い)メタルボタンや白いボタンが使われます。

スーツに「メタルボタン」や「白いボタン」が使われることがまずありません。
ですが、ジャケットに生地とのコントラストが弱い「黒」「茶」のボタンが使われることは珍しくありません。
基本的にボタンは
- 主張が弱いとフォーマルな印象
- 主張が強いとカジュアルな印象
を感じさせます。
ジャケパンに使いまわせるスーツの選び方

無地かチェック柄のスーツを選びましょう。
これだけでスーツの上着をジャケパンに着回しても違和感を感じさせません。
ストライプ柄は、「ビジネススーツの上着」っぽさが強く違和感を感じさせやすいのです。
上でスーツの上着とジャケットの違いを解説しましたが、
ただこれは、あくまで「そうなっていることが多い」というだけで、
これもあくまで「傾向」で、
と、いう表現を多用しました。
つまり
- 肩パッドがないのも
- 着丈が短いのも
- アウトポケットも
「ジャケット」であることの必須条件ではありません。
なによりも大切なのは、
ジャケパンで使った時にパッと見で「スーツの上着っぽく見えないか?」
です。
ジャケットで最も目立つ要素は「生地」です。
肩パッドも着丈もポケットの形状もボタンも、ジャケットのあくまで「1か所のディティール」でしかありません。
それに対して生地は「ジャケットの全体」に及ぶものです。
だから一番目立つのです。
ビジネススーツの印象が強いストライプ柄では、「ビジネススーツの上着」っぽさが強く違和感を感じさせやすいのです。
無地かチェック柄を選べば、
- 肩パッドは入っている
- 着丈が長い
- フラップポケット
などスーツの上着の要素が強くても、意外と「スーツの上着っぽさ」は感じさせません。
こちらのコーディネートで使っているジャケットは
- 肩パッドは入っている
- 着丈が長い
- フラップポケット
といったスーツの上着の要素が強いジャケットです。

でも、スーツの上着っぽく見えませんよね。
それは無地だからなのです。
という事を店頭での接客でお話するとしたら、
「それはお兄さん(=ショップスタッフ)だから大丈夫なんだよ」
って言われそう( ;∀;)
これは百聞は一見にしかず、でして…。
試しにGUの「テーラードジャケットCL」を試着してみてください。
最近ではいろいろな柄を展開していますが、無地かチェックを選びましょう。

これはGUが展開するセットアップの上着。
- 肩パッドが入っている
- フラップポケット
- 主張の弱いボタン
とスーツの上着的な要素が強いですが、着てみると意外や意外。
ぜんっぜんスーツの上着っぽく見えないのです。
スーツの上着をジャケットとして、ジャケパンに着回した人は「無地」か「チェック柄」を選びましょう。
スーツの上着を使ったジャケパンの着こなし方

細すぎのパンツは合わせないようにしましょう。
パンツが細すぎると、ジャケットとのシルエットのバランスが悪くなってしまいます。
上でも解説しましたが、スーツの上着は肩パッドが入っていることがほとんどです。
肩パッドの入っているジャケットは、「蹴廻し」と呼ばれる裾回りが広がったフォルムになっています。

ジャケットの裾が広がっているのに、合わせるパンツが細いとジャケットとパンツのシルエットがキレイにつながりません。
蹴廻しの広がりに合わせて、合わせるパンツは太ももにゆとりのあるシルエットのパンツを合わせましょう。

「パンツの太さの目安ってあるの?」
基本的には、センタープレスの入ったスラックスタイプのパンツを合わせておけば、まず間違いはありません。

スラックスはセンタープレスがしっかり入るように、太ももにゆとりのあるシルエット設計になっています。
蹴廻しの広がったシルエットのスーツの上着と合わせても、シルエットがキレイにつながります。
スーツの上着をジャケパンスタイルに着回す場合は、細すぎないパンツに合わせましょう。
以上。
スーツの上着をジャケパンスタイルに着回す「選び方」「着方」でした。
今回はここまで。
最後まで読んで下さりありがとうございます。

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