2022-08-29
流行は人々の気分で変化する。
これは株価指数といった経済動向と同じ側面がある。
世界で活躍するデザイナー山本耀司さんの昔読んだインタビュー記事で、うろ覚えの内容があるのだが、
ファッションが分からないものが、政治(経済)など分かるものか。
という内容があったことを思い出す。
溢れた情報にまみれて疲れてくると、どうでもよくなることがあるかもしれない。
ファッションから一歩引いた私からすると流行なんて必要ないと思ってしまうのだが、とはいえKYな古いおばさんにならないためには、今の時代の空気感を感じなくなってしまっては終わり。
ファッション情報に埋もれてしまうことなく、シンプルにファッションのトレンドや流行をキャッチするにはどうしたらよいのだろうか?
雑誌について、その中身を考えてみると、
モデルさんは顔やスタイルがいい。しかもプロのヘアメイクで綺麗にしてもらえる。
また服やバック、靴、アクセサリーに至るまで高価なものでコーディネートしている。
そしてそんな綺麗なモデルさんが表情やポージングも完璧に作る。もちろん背景やシチュエーションも美しい場所を準備して。
このように完璧な被写体を準備したのち、カメラマンは最高によく見える偶然の一枚を撮るために何百枚と撮影する。
このように撮影されるファッション画像と普通の生活をする人が同じようになるはずがない。だから参考にならない。ならばエンターテイメントとして楽しんだり、憧れたりする程度でよいのかもしれない。
雑誌を見て私も頑張ろう!と思える人は良いのだが、自分の容姿や生活レベルの違いを目の当たりにして自己肯定感が低くなってしまうという人にとっては、ある意味で有害になってしまう。
『雑誌を見ても参考にならない‥』と残念がる人は、このような背景を理解したうえで自分とは違うという前提で見ることが重要だと思う。
とはいえファッション雑誌は、現在の旬なファッションの空気感や流行を捉えることができるものとして便利なツールである。
ならば雑誌は、どのように利用すると良いのだろうか?
ファッション雑誌は、ファッションの流行を捉えることができる便利なツール。
1か月ごとに発売されるため月ベースで比較することで微妙な流行の変化を捉えることができるし、また前の年の同じ月で比較することで、去年の動向とも比較することができる。
これにより、去年の服装が今年も通用するか?着てもおかしくないか?という確認もとれる。
具体的に、どのようにして雑誌を見るか一例をあげると、
例えば、8月末~9月初旬に発売される【10月号】があるとする。
この【10月号】に
みたいな、よくある雑誌のキャッチフレーズを鵜呑みにしないことだ。
なぜなら、この時期に人々がリアルに着ているものは夏物であり、実際に売れてくるのは涼しい日がぽつぽつと出始めてからなので、流行の動きを知るには未だ早すぎる。
8月末~9月初旬のファッション業界は秋物の立ち上がりの時期であり、一応各アパレル企業もファッションの最高峰であるパリコレの発表内容をもとに新作を提案しているので、根拠のないものを適当に提案しているわけではない。
とはいえ、それが人々に受け入れられるかは別問題のため、立ち上がり時期に提案してみた商品が人々に受け入れられなかった場合は企業も即座に方向転換し、雑誌も打ち出した流行とは違ったものが流行り出したとなれば、次号では必ず修正してくるものである。
つまり、株価のように予測は立てられるものの値が上がるか下がるかは誰にもわからないのと同じように、流行の動向も時期がこないと誰にもわからない。
よって、我々がファッション情報を見るときは、〇〇が流行る!といった派手なキャッチフレーズに踊らされることなく、落ち着いてリアルな情報を肌で感じるというのが大切なのである。
ファッションの流行をキャッチするために大切なこと
【ファッション情報】⇒【実店舗】⇒【リアルな人々】というステップで、流行を捉えてみてはいかがだろうか。
特に、スマホの情報だけ見て判断するのは何も身に付かない。それどころか時間の搾取という悪い結果で終わり自己嫌悪に陥ることもある。
何ごとも自分で考えて行動することが必要であり、ファッションにおいても実際にお店に足を運び、リアルな商品を手に取り、試着するといった行動は必要不可欠だ。
ファッションも自分で学び行動が必要だ。
ちなみに今の子どもたちの教育のトレンドは『探求』。
文部科学省の学習指導要領でも「探求型学習」を推進しており、これからの教育のキーワードになってくる。
自分の興味のあること、分からないことを自ら調べて行動すること。そして、そこで学び得たことや疑問をさらに深めていくことで、自分の才能を見つけてそれを伸ばし、表現方法を身に付けて活躍する場を広げることが期待できる。
つまり、これからの時代は探求が重要だと国が認めた証拠でもある。
探求はモノゴトの本質をつかみやすくなり、悩みを解決する力もついてくる。
探求は自ら生きる力を養い、情報から時間を搾取されることも避けられる。
情報を見るだけでは何もならない。
時間を搾取される弊害もある。
情報と上手く付き合うためにも、
生活に必要な「探求」を繰り返し、
自ら生きる力を養うことが必要だ。
CATEGORY :
埼玉県さいたま市大宮区大門町2-12 石田ビル4F