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【子どもの服育】アパレル夫婦が取り組む服育の例~Part②~

2023-07-21

服育とは、いわば生き方を教える行為です。

子どもが ”自分に最適な服”を選べるように育てること。これは子どもの人生がスムーズにいくことを意味します。

日ごろパーソナルスタイリストの仕事を通して、お客さまの沢山のお悩みを伺います。

  • 服選びが苦手、おしゃれが苦手
  • おしゃれに縁遠い生活を送っていた
  • 自分に合った服を選べるようになりたい
  • 自分に自信が持てるようになりたい

つまり装いは大人になったら自然とできるものではない、ということです。

人生「衣食住」と言いますが、装いに関することを十分に学校で教えてもらえないですよね。

例えば、身だしなみ・マナー・洋服の基本・流行・おしゃれの仕方・個性についてなど学ぶ機会はありませんので、装いについての判断力や決断力は身に付かないもの当然です。

そこでどうすればよいのかというと、家庭環境が重要になってきます。

子どもの服育は親の努め

学校で教えてもらえないならば家庭で教えるしかありません。

例えば、しつけに関しても親がお手本を示すことで子どもは自然に身に付きます。ですから装いも同じです。

そのために親は何をしてあげればよいのか?

それは、

  1. 子どもに服を選ぶ経験を沢山させる
  2. 親がファッション哲学を持つ
  3. 夫婦や親子でお互いの服装について褒め合う

こういった機会を作ることが大切です。

1.子どもに服を選ぶ経験を沢山させる

わが家では子どもたちが保育園のころから、自分の洋服を選ばせてきました。

おしゃれじゃなくてもいいんです。へんてこなコーディネートでもいいんです。親の意見を押し付けず、自分の好きなものを好きに組み合わせる、この経験が重要なんです。

そのうち成長に合わせて清潔感やマナーの重要性を身に付けさせながら、TPOに合った装いの仕方を教えていくことで、洋服選びの基礎が出来上がります。

わが家の小学2年生の娘の話をしますと、

保育園のころはピンクのフリフリ系が好みであった娘。しかし途中からフリルを嫌がり急に黒を着たりシンプルな服やボーイッシュな服を好んだりするようになりました。

しかし先日、近所のしまむらで買い物をしましたところ、また少し可愛らしい服を選ぶようになっていたのです。

おそらくお友達の影響が大きいのでしょう。こういった娘の変化に気が付くことは成長を知ることにもつながり、とても興味深いものです。

その日の娘は嬉しそうに服を選び、「これ試着する!」と意気揚々と試着室へ行くも、浮かない顔で出てきて「うーん、やっぱりやめる。。」と言いました。

そして「もうちょっと見てみる!」と言って、また違う服を選び試着しても、またしっくりこないということが続きました。

最後は好みのものが見つからない中、それでも買いたい気持ちが強い娘は、多少妥協しても試着してもいいかなと思うものを無理やり選んでいる様子でした。

結局は良いものがなく、その日は買えませんでした。とてもがっかりして落ち込んでいました。

このように頑張って探したけど気に入ったものがなかった、、。これって大人でもがっかりしますよね。でも妥協してこれでいいや!と買うのではなく、やめる勇気も大事ですよね。

そのとき娘に伝えたことは、

  • 欲しくても気に入った物がない時は悲しくならなくていい
  • 気に入ったものが置いていないお店が悪い
  • お店はいつも気に入ったものがあるとは限らない
  • 自分の好みが素晴らしいという誇りを持って
  • 気に入らないときは、やめる勇気が大切
  • そしてやめた時は自分を褒めていい
  • また良いものがあることを期待して買い物を楽しんで

こんなことを伝えました。

諦めない根気、やめる勇気、がっかりしたときに落ち込まない考え方などは、服選びをスムーズにするための基本のスキルです。

こういったことは経験でしか身に付きません。

2.親がファッション哲学を持つ

ミニマリストとシンプリストの違い

子どもに教えるためには親自身がファッションに興味がなければなりません。

親が経験したこと、そこで身に付いた考え方などを通し自らの服の選び方を子どもに伝授します。

服の選び方や装いに関する考え方とは、いわば ”ファッション哲学” です。子どもに装いを伝えるためには、親がファッション哲学を持っているか?が重要になってきます。

例えば私は、装いは人生だと思っています。

生活がだらしなければ服もだらしない恰好になりますし、目立ちたい!という気持ちが強い人は華やかなファッションをするものです。

つまり生き方がそのまま現れるのがファッションですから、自分はこうありたい!とか、こうあるべきといった考え方を持つことがファッションには重要だと思っています。

自分なりの人生観をファッションに投影すること、そのためにファッション哲学を持って服を選ぶことで、流行や他人の意見に左右されず装いに自信をもつことができます。

その自信の源であるファッション哲学は生きる上で支えになります。

3.家庭内でお互いの服装を褒め合う

人を褒めるという行為は良いことです。

ですが何か気恥ずかしかったり、他人に興味を持てなかかったり、嫉妬してしまったり、、となかなか人を褒めることは出来ないものです。

しかし人を褒めることで人に興味を持ち、お互いを尊重し合うことができる。そしてコミュニケーションがうまくいくので家族が仲良く過ごすことにつながっていきます。

ちなみに世の中のお父さん方。家計の中では真っ先にお父さんの服代が削られるそうです。

アパレル店員時代、旦那さまが服を気に入っても奥さまが首を縦に振らなければ買ってもらえない、というお客さまを沢山に見てきました。(泣)

こう言ってはなんですが家族でお出かけするご家族を目にしても、お母さんやお子さん(特に娘さん)は小綺麗な格好をしているのですが、お父さんはサンダルに古ぼけたチノパンにヨレヨレのTシャツ姿ということが多々あります。

その原因として、そもそも世のお父さん方は女性と比較してファッションに興味がないということはあるかもしれませんが、もう少し家族がお父さんに興味を示してあげることで、お父さん自身がファッションに気を使うことができ、カッコいいお父さんでいられるのではないかと思います。

お父さんがカッコいいと、お母さんも子どもも嬉しいはずです。お父さんをもっと尊重したり理解したりでき、さらに家族仲も良くなるのではないでしょうか。

家族がおしゃれについて話し合うと、年を重ねても家族のためにカッコよくステキでありたい!と思うモチベーションになります。

わが家も新しい服を買ったときは親子で見せ合ったり夫婦で褒め合ったりしますが、家族がお互いのおしゃれに興味を持つことで家族仲が良くなり、団結力も強くなると身をもって感じています。

服育のメリット

パーソナルスタイリストとしての仕事を通し分かっていることは、サロンにお越しになるお客さまに一番多い悩みは、

自分に自信がない、自信が持てるようになりたい—

ということ。

装いを選ぶ知識がないと、

  • 常に居心地の悪い思い、恥ずかしい思いをする
  • 人前で堂々と立ち振る舞えない
  • 買い物の失敗、散財をしてしまう

自信をもって装いを選べるようになれば、

  • 職場や友人といった社会への立ち振る舞いに自信が持てる
  • 買い物の失敗や散財、時間的ロスなどがなくなる
  • 装いに対する苦手意識やコンプレックスに悩まないですむ

といったメリットがあります。

子どものうちは良いのですが、大人になれば結婚式やパーティといった社交の場も増えます。そのとき装いに自信がないと非常に居心地の悪い思いをすることでしょう。

親なら子どもに対してそんな思いはさせたくないはずです。そして、お子さんが自信がもって服が選べるようになれば社会で堂々とした立ち振る舞いができ、活躍する幅も広がるでしょう。

子の服育、まずは親が知識を身に付けよう

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冒頭で、装いは大人になったら自然とできるものではない、とお話ししました。

子どもに服育をするにも親がお手本ですから、装いについても、ご自身が学ぶことが必要です。

服育は遅すぎるということはありませんし親自身が装いについて学ぶ、これも遅すぎるということはありません。

実際に当サロンでも、60代以上の方にもお越しいただきます。

そんなお客さまから「いまさらですが・・・」というお言葉を伺いますが全くそんなことはありません。診断後には「勇気をもって来て良かった!というお言葉を頂戴します。

装いの知識を身に付けることは、ご自身のため、お子さんのため、家族のためになります。

より良い人生を送るためにも、装いについて学ぶ時期は思い立ったときです。

ですから今なのです。

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