2025-03-19
日々、着るものがないと感じながらも、ファッションと向き合う時間を取らずに、なんとなく過ごしていませんか?
あわただしい生活の中で、洋服を買うときは、つい、流行を追いかけてはいませんか?
SNSで話題のアイテムを買い、インフルエンサーの勧めるブランドをチェックし、次々と新しい服を手に入れようとしてしまう。それは確かに楽で楽しいですが、その選択は本当に自分の意思で決めているのでしょうか?
考えてみてください。ファッション業界の情報の多くは、企業の利益追求のために作られているはずです。
新作が発表され、インフルエンサーがPRし、それに人々が飛びついてしまう。その流れに乗ること自体が悪いとは申しませんが、そこに「主体的な選択」がなければ、気づけば散財し、クローゼットには着なくなった服ばかりが残ってしまいます。
「これは本当に自分にとって必要か?」
「この服は長く着られるか?」
「私はなぜこれを買おうとしているのか?」
こうした問いを持たずに、ただ流行に乗り、ただ何となく買っていては、買い物の失敗を繰り返すだけではないでしょうか。
料理やスポーツ、勉強と同じように、ファッションにも基本があります。なんとなく服を選んでいるだけでは、この先も知識は身につかず、もちろんセンスも磨かれません。
ですから、この機会に着なくなった服と向き合い、失敗を検証することが必要ではないでしょうか。
なぜそれが似合わなかったのか?なぜ気に入らなかったのか?などと、よくよく考え、試行錯誤を重ねることで、自分にとっての「正解」が見えてくるはずです。
とはいえ、多くの人はこの過程を飛ばして、着なくなった服をクローゼットに押し込んだまま、見ないふりをする。そしてまた、流行に身を任せて散財してしまうのが現状だと思います。
その理由はなぜか?それは恐らく、「本当に役立つファッション情報」が少ないからだと考えます。
ファッション情報の大半は「服を売るため」の宣伝であり、「服選びの本質」や「個性の活かし方」といった本当に大切な知識が広まりにくい状況にあります。
例えばよくある情報として、骨格診断・顔診断・パーソナルカラー診断の自己診断サイトがありますね?私のお客さまにも利用している方は多くいらっしゃいます。これはこれで楽しめていればよいのですが、余計に混乱してしまった—というお言葉がとても多いように思います。
このような自己診断サイトは、一見、個性の活かし方を伝えるようでありながらも、人々の洋服選びを余計に混乱させるだけでなく、そもそも洋服を選ぶために大切な「主体性を促すもの」に欠けています。人を〇〇タイプというようにカテゴライズし、本来であれば洋服選びに迷っていた人が、自分は何タイプなのか?と、今度はタイプ分けに悩むようになってしまい、ファッションの本質から遠ざかってしまうのです。
またSNSによるファッション情報、インスタグラマーの着せ替え人形的な情報は、単なる服を売るための企業による戦略的な「作られた流行」です。ですから、この情報は本当なのか?とよくよく見極める必要があるように思いませんか?
問題なのは、どの情報も、人々が主体的に洋服を選べるようにするための情報ではないということです。タイプ分けで人をカテゴリー化したり、これを買うべきといった押しつけがましい受動的な情報が、あなたを本当に幸せに導くのでしょうか——。
これらはあなた自身を成長させてくれるような、学びの情報ではありません。偏った情報により、ファッション初心者や情報弱者が学ぶ機会を得られず、余計に混乱する人が増え、結果的に企業の戦略に巻き込まれてしまうのです。
この問題を解決するには、まず 「ファッション教育」 が必要だと思います。
洋服の選び方、シルエットの基本、色彩理論、素材の特徴など。こうした知識を学ぶことで、流行に頼らずとも自分で選ぶ力が身についていきます。
さらに、 「情報を見極める力」 も欠かせません。洋服の情報のみならず、さまざまな分野でのSNSの投稿や広告に影響されやすい世の中で、この情報は単なる宣伝なのか、それとも本当に価値のあるものなのか。これらを見極める視点を持つことは、今の時代、大変重要だと思います。
私はこれからも、ファッションに関する 「正しい情報」 を発信し、 「ファッション教育の充実」 に努めていきたいと思っています。
そして、これを読む皆さまには、
流行に振り回されるのではなく、流行を楽しめるようになるために。
企業の戦略に巻き込まれるのではなく、自分の意思で選択できるようになるために。
いま、あなたのファッションの在り方を、ぜひ、見つめ直してみてほしいのです。
さいたま市大宮区桜木町1丁目378番地 ビズコンフォート大宮西口ビル