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50代のファッションは“若見え”ではなく、本物のベーシックから始まる

2025-12-06

──必要なのは、“本物の基本”を取り戻すこと。

50代のファッションについて語るとき、いまだに「若見え」「大人可愛いカジュアル」といった言葉を目にする。
しかし、50代が本当に目指すべきはそこではない。

ファッションには、長い歴史の中で積み重ねられてきた “必要だから生まれた基本” がある。
ジャケット、シャツ、スラックス──おしゃれの土台となるベーシックアイテムは、流行よりも先に「意味」が存在する。

ファッションは歴史や背景を理解すればするほど、「必要だから生まれた」ことが分かる。
可愛いとか流行とか以前に、まずベーシック=必要な服なのだ。
(おしゃれの背景について説明した記事は、こちら。

そして、50代の大人にとって最優先なのは、清潔感と高級感という、人としての第一印象を整える軸だ。
それらが欠けてしまうと、どれだけ流行を追っても “おしゃれなおばさん” にすらならない。
逆に、清潔感と高級感があれば、若見えを狙わなくても “美しい大人” に見える。

──もう、若さを競う必要はない。
50代が大切なのは、年齢にふさわしい風格・センス・品のアップデートだ。
それを支えるのは、小手先のカジュアルや甘さではなく、“本物のベーシック” と “大人の視点”である。

つまり、50代のファッションは、

  • 若さを足すことではなく、
  • 不要なものをそぎ落とし、
  • 清潔感と高級感という基本の美しさを整えること。

その考え方さえ持てれば、おばさん感やお疲れ感は消え、ただ、凛とした美しさが立ち上がる。

さて。
カジュアルな服について、だれもが誤解しやすいポイントがある。

私は「カジュアルをしない」のではない。
“カジュアルな装いは、カジュアルな服でつくるものではない” というだけだ。

カジュアルとは着崩しの技法であり、服そのもののカテゴリではないと考えている。

ジャケットにデニム、
スラックスにスニーカー。

こうした組み合わせで、カジュアルは成立する。
だからこそ、大人には “中途半端にカジュアルな服” はむしろ不要になる。
よく分からない襟の形、過剰な装飾、締まりのないシルエットのカットソーなどは、「狙いの分からない野暮ったい服」となる。

50代の美しさは、シンプルなベーシックの上に成立する。
シャツ、ニット、ジャケット、スラックス。
意図のある定番は、年齢を重ねた体や雰囲気に自然と馴染み、結果として「おばさん見え」から最も遠ざけてくれる。

50代の装いで本当に大切なのは、「若く見せるために何を足すか」ではなく、
“美しく見えるために、何をそぎ落とすか” という視点だ。

──足すのではなく、整える。
それは、装いと生き方の両方を捉えた、大人の品格へとつながる考え方である。

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