ファッションスタイリスト・鶴田ジュンコです。
こういったお悩みはありませんか?
「自分に合う洋服の系統ってなんだろう‥」
「そもそもファッションの系統とかテイストって何?」
ファッションの系統(テイスト)には、一般的に8つの分類あります。
この8分類がファッション業界におけるスタンダードな分類法なので、まずは8分類を押されば間違いありません。
ファッション系統(テイスト)8分類を徹底解説
それに関連した「スタイル」についてもご紹介
洋服の悩みに「何をどうやって着たらいいのか分からない。」ということがありますが、その悩みはファッション系統を知ることが第一歩です。
服の系統が定まらないという方や、洋服をどうやって決めたらいいか分からないといった方はぜひ読んでみてください。
ファッションの系統が定まらないという方へ。ファッション系統(テイスト)8分類を徹底解説!

多くの人が中学・高校の「制服生活」を経て、卒業後は一人で私服を選ばなければなりませんが、学校ではファッションを教えてはくれません。
雑誌を見たり好きな有名人などを参考に、友達の影響をうけながらなんとなくファッションを覚えていくといった感じでしょうか。
何となく服を着始め、そして大人になる。という方がほとんどですよね。
若いうちは若さでカバーできるので気が付きませんが、年を重ねると若いだけのファッションでは品がなくなるし、崩れたスタイルもカバーできないし、くすみがちな顔色も冴えなくなり、ある日突然、似合う服が分からない!という事態に。
自分に合うファッションを見つけるためにも、「ファッションの系統(テイスト)」を知ることは大切です。
それでは基本のきである、ファッション系統の8分類を順番に説明します。
ファッション系統(テイスト)8分類
ファッション系統(テイスト)8分類です。
- ソフィスティケート
- カントリー
- モダン
- エスニック
- エレガント
- アクティブ
- マニッシュ
- ロマンティック

※中央縦のライン、【ソフィスティケート】⇔【カントリー】といった対極にある者同士は、その内容も対極になっています。
※ネットや参考文献などをまとめた、私の解釈も一部含まれます。あくまで参考にしていただければと思います。
①【ソフィスティケート】:都会的、洗練、クール
ソフィスティケートとは=都会的という意。
都会のビルの色のようなグレイッシュな色であったり、シックな装いです。
ちなみにソフィスティケートの対極にあるカントリーは、田舎の田園の色なのでアースカラーですね。
都会で働く女性像のようにキャリアウーマン的な強さや、都会的なセレブリティなイメージを感じます。
ドラッド、コンサバティブといった格式高いイメージもあります。


②【カントリー】:田舎、田園、ワイルド、自由
カウボーイやウエスタン的要素のイメージ。
ハンター(狩猟)のイメージからも、ツイードやチェック柄といったアースカラーをメインにコーデすると雰囲気がでます。
ハードなワークテイストのアイテムも良いですね。
ソフィスティケートと対極で田舎の素朴さ、温かさが感じられるテイストです。


③【モダン】:モード、前衛的、流行的、最先端
独創的でアーティスティックな装いや黒っぽい服のイメージがあります。
個の自分を持っているという強さがあります。
デザインにアシンメトリーや不真面目、不誠実さを感じますが、品を損ねてはならない着こなしの一つです。
好感度よりも個性を出したいという方におすすめ。


④【エスニック】:民族的、土着的、伝統的
スパイシーでエキゾチック、異邦人的なイメージがあります。
ミステリアスな色気も感じるテイストです。
かといって土着的すぎると都会的ではなくなるので、匙加減が必要です。
色柄でスパイシーな雰囲気を楽しみつつ、靴やバックは都会的な革靴にしたりとやりすぎないようにバランスを取るといいですね。


⑤【エレガント】:優雅、洗練、気品、大人
女性らしさや優しさのある、品のある大人な着こなし。
柔らかでソフトで好感度も高めです。
エレガントはどんなファッションのベースにもなるので、エレガントを軸にアクセントとしてエスニックをプラスするとか、モダンをプラスするといったことが出来ます。
わたくしはエレガント(つまり品の良さ)は、人として最低限欠けてはならないものだと解釈しています。


⑥【アクティブ】:スポーティ、健康的、機能的、カジュアル
スニーカーといったスポーツアイテムをミックスさせた機能的で動きやすいファッション。
ちなみに「アスレジャー」というスタイルを聞いたことはありますか?
アスレチック(運動)+レジャー(余暇)がミックスされた造語で、フィットネス系のウエアの上にバサッとコートを羽織ったり、革靴を合わせたりするセレブの休日スタイルのようなものも定着しています。


⑦【マニッシュ】:メンズライク、男性的、シャープ
男性アイテムであるテーラードジャケットなどを女性が取り入れたファッションのことを意味します。
女性が社会進出するうえで必要だった服がスーツということからも、OLさんはほぼこのスタイルをしても良いと思っています。
男っぽく着るというよりは男性が着ていたアイテムを取り入れるというイメージなので、むりに男装しようとする必要はありません。
男性アイテムであるスーツを着てシャープにかっこよくすることで、ほぼ完成します。
女性らしさを前面に出すよりも、逆に色気が醸し出されて素敵ですね。


⑧【ロマンティック】:甘い、幻想的、情緒的
少年少女のような清楚さ、ふんわり甘くてフェミニン、透明感があり華奢、守ってあげたいイメージなど、恋愛小説のようなおぼろげな雰囲気。
しかし最近のロマンティックは甘いだけではなく、そのイメージは”いろいろ”です。
ネオロマンティックと言われる甘さを控えたもの、またはダークロマンスなどがあります。



このように、料理の味(taste)と同じくファッションにも味わい(taste)を決める「系統(テイスト)」があるんですね。
実はファッションの系統が分かるようになると、好きなブランドも見つけやすくなります。
なぜならファッションデザイナーがブランドのコンセプトを決める際、ファッションテイストを軸に説明することが多々あります。
例えばパリコレの解説を読んでいると、こんな内容がありました。
『コレクション全体を流れているのは、マスキュリンとフェミニンを絶妙なバランスでマッチさせたロマンティックなムード。』
https://www.fashion-press.net/news/58662より引用
マスキュリン(マニッシュ)とフェミニン、ロマンティックといったカタカナ語ばかり(苦笑)。
もちろんその意味が分からなければ、どんなブランドなのかも分かりませんね。
『好きなブランドが見つからない』
『どういったブランドがおすすめか教えて欲しい』
というお悩みがある方は、まずはちょっとでも気になるなと感じたブランドのコンセプトを知るといいですよ。
ブランドコンセプトは、たいていホームページを見れば掲載されています。
コンセプトはそのブランドの「テイスト」や「目指す方向性」が表されていますので、自分が共感できる会社(ブランド)かどうか、参考になると思います。
以上テイストをご説明しました。
テイストは単に自分の好みだけでなく、魅力や個性を引き出すためのものであると、なおおしゃれに磨きがかかると思います。
わたしのファッションカウンセリングサービスである「パーソナルスタイル診断」では、お客さまの魅力を引き出し個性を活かすための、ファッション系統を定めるお手伝いをしています。
ご興味がある方はぜひ、ご覧になってみてください。
【参考資料】洋服の系統を決める「スタイル」

ここからはおまけの資料として「系統(テイスト)」と同じように、ファッションの方向性を決めるものに「スタイル」という概念があることを説明します。
以下は興味がある方だけお読みください。
時代の生き方を象徴する「スタイル」とは?
「スタイル」は、当時の社会状況が作り出すファッションを物語ります。
言い換えば「スタイル」とは、「生き方」のようなもの。
ファッションの歴史をたどると17世紀のフランス革命にまでさかのぼることになりますが、洋服の歴史はその時代の政治経済、思想や文化に影響を受けて成長してきました。
ファッション史を学ぶと、
どの時代にどんな服が流行っていたのか
どんな人達がどんな文化に影響をうけたものか
そんなことが分かります。
ファッションには、音楽やサブカルチャーをけん引する影響力のある人や団体を通して広がっていくという側面があります。
「スタイル」を知る醍醐味は、ファッションを作り出した彼らと自分の考え方(生き方)がマッチするか、という検討ができることです。
有名なスタイル「モッズ」の移り変わり
例えばファッション史の中で有名なスタイルに、モッズがあります。
歴史は繰り返すという言葉の通り、その時代のモードの歴史を受け継いで、次世代の影響力のある人たちが新しいものを作り出していく、、という流れを見ることができます。
モッズ (Mod、Mods、Modernism or sometimes Modism) は、イギリスの若い労働者の間で1950年代後半から1960年代中頃にかけて流行した音楽やファッション、それらをベースとしたライフスタイル、およびその支持者を指す。ウイキペディアより引用

スモール・フェイセスがモッズの初代の頃。

ビートルズのモッズスタイル。

映画「さらば青春の光」の中のモッズコート姿。
→こちらは初代モッズのあとのネオモッズと呼ばれてる。
こんな風にモッズというスタイルも、時代で少しずつ形を変えていきました。
「スタイル」は、その時代の影響力ある若者らの生きざまを知ることができます。
「スタイル」を知ると自分の洋服選びに置き換えて、こんな考え方ができます。
例えばいまモッズコートが流行っているとしますね。
単純に「流行っているから着ようかなぁ」ではなく、モッズコートの流行った時代背景や音楽・文化を知り、当時の若者の様子が分かったうえで、それに共感できるかもしれないし、または逆もあるかもしれません。
ファッションスタイルに共感するというのは、その時代の人が感じた文化に共感するということでもあります。
ファッション史を知れば流行のスタイルを取り入れるか否か、自分の軸をもって決めることができるのです。
こうなるともうファッション上級者と言ってもよいのではないでしょうか。
そのためにも歴史を知っておくのは大切です。
中には、麻薬や薬にはまった人たちに流行ったスタイルとかもありますので(笑)
以上、時代で切り取ったファッションである「スタイル」を知ることは大切ですが、ちょっと難しいなと感じる人もいるかもしれません。
そういった方には最初にご説明した「系統(テイスト)」を意識されると良いですね。
雰囲気で切り取った「系統(テイスト)」は、自分の魅力や個性に合うものを選ぶと良い
時代で切り取った「スタイル」は、生き方に共感できるかが肝
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。

装いは生きざまが表れます。
つまりファッションは人生そのものです。装いに自信が持てると、人生も堂々と立ち振る舞うことができます。
おひとりお一人、それぞれに美しさがあります。
美しさとは、人と比べずご自身を良く知ること。そしてありのままの自分を受け入れて大切にすることだと考えます。
お客様の声150件を超えるファッションコンサルタント鶴田が、お客さまの魅力や個性を分析し、お好みやライフスタイルに合わせつつ、その方だけの美しさを表現する装いのサポートがさせていただきます。
型にとらわれず、ありのままの美しさを大切にしたい―
これをモットーに、誠心誠意お伝えさせていただきます。