
2022-11-03

巷で流行のイメコン。
そもそもイメコンって何でしょうか?顔診断をともなう、自分に似合うファッションを探すコンサルティングとも言いましょうか。
ファッション業界が提案するおしゃれは決して「似合うこと」にこだわるものではありません。
ではその違いとは何でしょうか?

イメコン、つまりイメージコンサルティングは、コンサルタントがクライアントの目的に合わせて、職業やライフスタイルにふさわしい服装(ファッションスタイル)、ヘアースタイル、メイクアップ、カラーコーディネート、表情、姿勢、立ち居振る舞い、歩き方、話し方、マナーなど、トータル的に最適なパーソナルブランディング等を行うことで、 装いをベースとした高度な印象管理術とパフォーマンス術とも言われる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88
イメージコンサルタントは、もともとアメリカで広まった職業でありますが、そのきっかけとなったのが1960年のアメリカ大統領選挙です。
ベテランのリチャード・ニクソンに対し若手のジョン・F・ケネディが出馬した大統領選で初テレビ討論会が行われましたが、その様子はパーソナルカラーの歴史でも良く語られます。

当時のテレビはモノクロの時代でしたので、当然モノトーンの色しか表現できません。
ニクソン氏はグレーのスーツ姿で少しぼんやりした印象に対し、ケネディ氏は黒と白のコントラストがきいた配色、若々しいスタイルの良さ、立ち振る舞いや話し方などのイメージ戦略が功を奏し、無名に近い立場から多くの支持を獲得したと評価されています。
以降、政治家や経営者など公に人前に出る人にイメージコンサルティングが求められるようになり、いまではSNSの普及も後押しして一般的にもイメコンの人気が増えています。
ただし流行りのイメコンは以下のように顔や見た目のビジュアルに特化したものが多いのですが、
一方で公人に対する本格的イメージコンサルティングは、パーソナルカラーや骨格診断、ヘアメイクといったファッション的なアドバイスだけでなく、立ち振る舞い、話し方、マナー、考え方など、内面も含めた総合的なコンサルティング内容というところに相違があります。

巷で流行しているイメコンとは、
パーソナルカラーで「似合う色」
骨格診断で「似合う服」
顔診断で「似合うファッション系統」
――自分の顔色・体型・顔立ちから「似合うファッション」を導くものです。
主な目的は、自分とファッションを“調和させる”ことであり、「似合う=おしゃれ」という立場で成り立っています。
しかし、ファッション業界出身の立場から言えば、似合うファッションが必ずしも“おしゃれ”になるとは限りません。
「似合う」≠「おしゃれ」
私は、これを明確に分けて考えています。
ファッション業界は、調和や似合うに固執しません。
むしろ、顔立ちがフェミニンだからこそ辛口ファッションが映える、といった意外性のミックスを重視します。これこそが、今の流行であり“バズる”要素です。
例えば、佐々木希さん。
フェミニンな服は予定調和で「可愛い」で終わりますが、メンズライクなスーツを着ると、華奢な骨格との対比が生まれ、色気が際立ちます。
「なんか意外!魅力的!もっと知りたい!」
この“増幅される興味”こそが、調和ではなくミックスです。
ジェンダーレス化する社会背景から、男性が女性的要素を取り入れたり、女性が男性的要素を取り入れる中性的な雰囲気が時代に合っています。

今の流行は、“相反するもの”の組み合わせにおしゃれを感じる時代。
この視点から見ると、イメコン的なファッションが平均的に見えたり、どこかおしゃれに感じない理由がはっきりします。
イメコンは「似合う・似たもの・調和」を重んじるため、
といった、イメージを固定化する提案になりやすい。
その結果、個性が埋もれ、「女性らしくあることが正しい」という方向へ寄せる側面もあります。
これが、いわゆる“イメコンくささ”の正体であり、イメコンの限界ともいえます。

私はアパレル業界に17年超、従事したことで、ファッションという考え方が軸となったコンサルティングを行うスタンスを取っています。
なお、当サロンは顔診断を行いません。それは以下の立場をとっていることにほかなりません。
顔タイプ診断は意味ない。ファッションは顔で決めるものじゃない
「生活が整えば、どんな服でも似合う」
https://tsurutas.com/2023/07/20/kaoshindan/
ファッションには顔立ち以上に「生活の丁寧さ」が出ます。
アイロンがかかっているか
靴を磨いているか
毛玉やシワを気にしているか
こうした小さな習慣が、装いの清潔感や品をつくります。
逆に生活が乱れていれば、服装もだらしなく映ってしまいます。
つまり、似合うかどうかを決めるのは顔ではなく「日々の生き方」。
ここが「顔タイプ診断 意味ない」と言える最大の理由です。
生活を整えれば、どんな服でも自然に似合うのです。
最後に。
外見の「似合う」や「他人の評価」にとらわれず、
自分の軸をもってセンス良く生きる人の生き方は、とても魅力的です。
おしゃれとは、単なるセンスや流行ではなく──
生き方そのものの表現です。
知性、品格、凛とした強さがあれば、装いにも自然とそれが滲みます。
だから私は、イメコンに縛られることがセンスの良さだとは思いません。
”おしゃれな人はセンスが良い” というテーマで書いた、その他の記事も以下にご紹介しておきます。よろしければぜひ参考にしてみてください。
▶ センスの良い生き方とは ──本質をつかむ人が、おしゃれも人生も好転させる
▶ おしゃれな人はセンスが良い――センスの良さは考えることで磨かれ、そして人となりを育てる
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