
2026-06-11
最近、好んで触れていたアンティーク。
経年変化したアンティークに惹かれていると思っていたけれど、違ったようだ。
私が好きなのは、古びた質感ではなく、経年してなお残った美しさだった。
時間に耐える美意識。
まさに、クラシカルである。
できれば自然な素材でつくられ、必要に応じて機能的に、そして美しくあつらえられたもの。
時代が変わっても、普遍的に残るもの。
——そんなクラシカルに、惹かれる。
とはいえ、手作り感や温もり感のあるクラフトものには惹かれない。
ほっこりした素朴さや懐かしさを求めているわけではない。
反対に、鋭く作り込まれたモードにも全く惹かれない。
私が求めているのは、作為ではなく自然。
流行ではなく必然。
温もりではなく、静かな品。
そういった意味では、花や自然、空や月もクラシカルだと思う。
それらは、いつの時代も変わらず人の心をとらえてきた。
花を美しいと思う心。
空を見上げると、澄む心。
月を見て、深く浸る心。
時代が変わっても、人の心を揺さぶるものがある。
絵も、音楽も、哲学も同じだと思う。
揺さぶられた人の心は、音楽となり、絵となり、言葉となり、時代を超えて残っていく。
だから、美しいものが好きだ。
美しさは、本質である。
そしてこの本質だけが、信じられるものである。
クラシカルな美意識の中にいると、誰かと比較して、自分を卑下することも、誇示することもなくなる。
美しさは、競争ではない。
今だけの評価でもない。
誰かより上か下かでもない。
時間に耐えるもの。
静かに残るもの。
何度見ても心を整えるもの。
そこに触れていれば、余計なものに反応しなくなる。
それは、ゆとりというより、ミニマリズムに近い。
物を減らすことだけではなく、余計な感性を持たないこと。
比較しないこと。
流行に振り回されないこと。
自分の心を、必要以上に騒がせないこと。
これもまた、ミニマリズムだ。
トレンドの中だけで動き続けると、身がもたない。
今っぽいか。
古く見えないか。
遅れていないか。
誰かより見劣りしていないか。
その感覚の中で生き続けるのは、あまりに無意味だ。
だから私は、時間に耐える美しさを信じたい。
クラシカルを好むことは、今の時代に、心が消耗しないための美意識でもあると思う。
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